AGA(ハゲ・薄毛)は遺伝する?確率と遺伝以外の原因・対策を解説【医師監修】
本記事はAGA治療の専門医院として23年以上の実績がある、リブラクリニックが制作したものです。
父親や祖父が薄毛だと、自分もいずれハゲるのではないかと不安になる方は多いはずです。ハゲの大半を占めるAGA(男性型脱毛症)は、遺伝の影響が大きいことが分かっています。
ただし遺伝するのは「ハゲそのもの」ではなく「ハゲやすい体質」であり、遺伝率が高いことと自分が必ず発症することはイコールではありません。
本記事では、ハゲと遺伝の関係を、確率の正しい読み方から遺伝の仕組み、遺伝以外の原因、進行を止める治療法まで、男性専門クリニックの視点で解説します。
- ハゲの多くを占めるAGAは遺伝の影響が大きいが、遺伝するのは「ハゲやすい体質」
- 「遺伝率が高い」は集団の話であり、個人が必ず発症する確率ではない
- 遺伝でも環境要因の改善と厚生労働省承認薬で進行を抑えられる
この記事の監修者
甲斐沼 明(かいぬま あきら)
前任の日髙士郎先生からの要望を受け、令和7年12月よりリブラクリニック目黒院院長に就任。長年の臨床経験を活かし、ED治療・AGA治療に取り組む。
AGAは遺伝するのか結論から解説
ハゲ(AGA)には、遺伝が大きく関わります。双子を対象とした研究では、薄毛のなりやすさの多くが遺伝で説明できると報告されています。
ただし遺伝するのは体質であり、実際に発症するかどうかや進行の度合いは環境にも左右されます。
ハゲの多くは男性型脱毛症(AGA)が占める
成人男性の薄毛の多くは、AGA(男性型脱毛症)によるものです。AGAは思春期以降に前頭部や頭頂部の髪が少しずつ細く短くなり、抜け落ちていく脱毛症です。AGAは進行性で、何もしなければ薄毛が少しずつ広がっていきます。
髪の毛には、伸びる成長期、抜ける準備に入る退行期、抜け落ちる休止期というサイクルがあります。
AGAではこのうち成長期が短くなり、髪が十分に太く長く育つ前に抜けてしまいます。残った毛も軟毛化して細く短くなるため、全体のボリュームが減って見えるようになります。
双子研究が示すAGAと遺伝の関係
一卵性双生児と二卵性双生児を比べた研究では、AGAの発症しやすさには高い遺伝性があると報告されています。
25〜36歳の男性双生児を調べた研究では遺伝率が約81%と算出されており、8割前後とされることもありますが、この数字は「集団全体のばらつきのうち、どのくらいが遺伝で説明できるか」を表すものです。
参考:Genetic Basis of Male Pattern Baldness(J Invest Dermatol, 2003)
ここで誤解しやすいのが、「遺伝率8割」を「自分が8割の確率でハゲる」と読み替えてしまうことです。両者はまったく別の意味です。遺伝率の正しい読み方は第4章で詳しく整理します。
遺伝するのは「ハゲ」ではなく「ハゲやすい体質」
親から受け継ぐのは、ハゲという結果そのものではなく、男性ホルモンに反応しやすい体質です。具体的には、薄毛の引き金となる男性ホルモンの作られやすさと、その効きやすさが遺伝します。
同じように薄毛家系で育っても、発症する人としない人がいるのはこのためです。受け継いだ体質という土台の上に、年齢や生活習慣などの要因が重なって、はじめて薄毛として表に出てきます。次章では、その体質を決める仕組みを見ていきます。
AGAが遺伝する仕組みと関わる2つの遺伝子

ハゲが遺伝する仕組みの中心にあるのは、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンです。DHTの作られやすさと効きやすさには2つの遺伝子が関わり、この体質が親から子へ受け継がれます。
男性ホルモンとDHTが毛周期を乱す仕組み
男性ホルモンのテストステロンは、II型5α還元酵素という酵素のはたらきで、より強力なDHTに変わります。このDHTが毛根にある受容体と結びつくと、髪の成長を抑える信号が出されます。
DHTが毛包の成長期を短くするため、髪が太く育つ前に抜けてしまいます。これがAGAの基本的な進み方です。
前頭部や頭頂部の毛根はDHTの影響を受けやすく、AGAが進みやすい部位です。一方で後頭部や側頭部はDHTの影響を受けにくいため、薄毛が進んでも比較的髪が残りやすい傾向があります。
5α還元酵素の活性度を決める遺伝子
1つ目の遺伝子は、テストステロンをDHTに変える5α還元酵素のはたらきの強さに関わります。この酵素のはたらきが強い体質ほどDHTを多く作りやすく、薄毛が進みやすくなります。
この遺伝子は性別に関係なく受け継がれる常染色体上にあるとされ、父方・母方どちらの体質も影響しうると考えられています。
アンドロゲン受容体の感受性を決める遺伝子
2つ目の遺伝子は、DHTを受け取るアンドロゲン受容体の感受性に関わります。受容体がDHTに反応しやすい体質ほど、同じDHT量でも髪が影響を受けやすくなります。
アンドロゲン受容体の感受性は、若いうちに発症するタイプのAGAに特に強く影響すると報告されています。
この受容体の遺伝子はX染色体上にあり、早く発症するAGAの主要な決定因子とされています。遺伝的なリスクのうち最大で4割ほどを、この受容体の遺伝子が占めるという研究もあります。
AGAは「優性遺伝」で受け継がれるのはなぜか
ハゲは「優性遺伝」と説明されることがありますが、正確には複数の遺伝子が関わる多因子遺伝(ポリジェニック遺伝)です。1つの遺伝子で決まる単純な優性・劣性のルールでは説明できません。
「優性遺伝」と言われる理由とその実際
薄毛家系で子や孫にも薄毛が目立つと、見た目には「優性遺伝で受け継がれている」ように映ります。これが「ハゲは優性遺伝」と言われる背景です。
しかし実際のAGAは、1つの遺伝子ではなく多数の遺伝子が少しずつ影響し合う多因子遺伝です。
メンデルの法則で説明される単純な優性・劣性とは仕組みが異なります。だからこそ、同じ家系のなかでも発症する人としない人がいたり、進行の早さや薄くなる部位に個人差が出たりします。「親がハゲだから自分も必ずハゲる」と単純には決まりません。
家系の誰から受け継ぐかが気になる場合
「母方からか父方からか」「隔世遺伝はあるのか」も気になるところです。感受性に関わる遺伝子はX染色体上にあるため母方の影響が出やすい傾向はありますが、DHTの作られやすさは父方・母方どちらからも受け継がれます。
実際には両方の家系の体質が組み合わさるため、「どちらか一方だけで決まる」とは言い切れません。
母方と父方のどちらの影響が強いのか、隔世遺伝で祖父から伝わることはあるのかをくわしく知りたい方は、別記事で解説しています。
関連記事:ハゲ・薄毛は隔世遺伝する?AGAを母方と父方どちらから受け継ぐか解説【医師監修】
AGAが遺伝する確率はどのくらいか
ハゲが遺伝する確率を考えるうえで大切なのは、「遺伝率」と「自分が発症する確率」を分けて捉えることです。日本人男性のAGA有病率は年代とともに上がり、全年齢の平均で約30%と報告されています。
日本人男性がAGAになる割合

日本皮膚科学会のガイドラインによると、日本人男性のAGA発症頻度は全年齢の平均で約30%です。年代別では、20代で約10%、30代で約20%、40代で約30%、50代以降で40数%と、年齢とともに高くなります。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)
つまり日本人男性の3人に1人ほどが、生涯のどこかでAGAを経験する計算です。年代別の発症率や若年層のリスクは、それぞれの記事で詳しく解説しています。
家族に薄毛が多いと発症しやすい傾向
家族や親戚に薄毛の人が多いほど、薄毛になりやすい体質を受け継いでいる可能性は高くなります。父親に限らず、祖父や叔父など複数の血縁者に薄毛が見られる場合は、遺伝的な素因を持つ確率が上がる傾向があります。
ただし、家系のなかの誰が薄毛だと何%発症する、といった具体的な確率まで正確に言い切れるわけではありません。家族歴は「リスクを見積もる目安」として参考にするのが現実的です。
「遺伝率が高い=必ずハゲる」ではない

第1章で触れた遺伝率は、集団全体の薄毛のばらつきが遺伝でどれだけ説明できるかを示す指標です。個人が将来ハゲるかどうかを直接示す数字ではありません。
遺伝率が高くても、発症するか・どこまで進むかは、年齢や生活習慣といった環境要因によって変わります。遺伝という土台があっても、環境次第で進行を遅らせる余地があるということです。遺伝以外の要因と、進行を止める方法は次章以降で見ていきます。
M字ハゲ・若ハゲと遺伝の関係
M字の生え際後退や、若いうちから始まる薄毛(若ハゲ)も、AGAの一種であり遺伝的な素因と関係します。進行する部位や発症する年齢には、男性ホルモンへの感受性の個人差が表れます。
M字(前頭部の後退)と遺伝

生え際がM字型に後退するのは、AGAの典型的な進行パターンの1つです。前頭部はDHTの影響を受けやすい部位のため、感受性を受け継いでいる人ほどM字の後退が表れやすくなります。
どの部位から薄くなるかには個人差があり、M字から進む人もいれば、頭頂部(つむじ周辺)から進む人もいます。
それぞれの部位の見分け方や進行の止め方は、下記の記事でも解説しています。
関連記事:生え際の後退はAGA?セルフチェックと進行を止める承認薬を解説【医師監修】
関連記事:つむじはげ(頭頂部薄毛)の基準と原因は?進行を止める治療法を解説【医師監修】
若ハゲ(若年発症)と遺伝
20代や30代の早い時期から薄毛が始まる若ハゲは、遺伝的な素因が強く出ているサインと考えられます。若くして発症するタイプほど、アンドロゲン受容体の感受性を決める遺伝子の影響が大きいとされています。
早く始まったからといって、必ずしも最終的に重症化するとは限りません。ただ、進行性であることに変わりはないため、早い段階で対策を検討する意味は大きくなります。
年代ごとの発症率や対処法は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:20代のAGA発症率は約10%!原因・治療薬・費用を専門医が徹底解説【医師監修】
関連記事:30代のAGA発症率は約20%!進行を止める治療薬・費用を徹底解説【医師監修】
AGAは遺伝以外の原因でも進行する

ハゲは遺伝だけで決まるわけではなく、遺伝以外の要因も進行に関わります。なかでも喫煙は、薄毛との関連が研究で報告されている数少ない生活習慣です。
喫煙は薄毛のリスクを高める
複数の研究をまとめた解析では、喫煙者は非喫煙者に比べて男性型脱毛になりやすく、そのリスクは約1.8倍(オッズ比1.82)と報告されています。喫煙者では、薄毛が軽症から重症へ進むリスクも高まる傾向があります。
タバコは血流や酸化ストレスを通じて頭皮環境に影響すると考えられています。遺伝的な素因がある人にとって、禁煙は自分でコントロールできる数少ない対策の1つです。
生活習慣の乱れ・睡眠不足・ストレス
睡眠不足や過度なストレス、偏った食生活が薄毛を悪化させる、とよく言われます。
ただし、これらがAGAを直接進行させるという強い証拠は、現時点では限られています。過度な期待も過度な不安も持たず、頭皮と髪の健康を保つ土台として整えるという捉え方が適切です。
栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠は、体調全般を整えるうえで役立ちます。AGAそのものを止める力はなくても、髪が育ちやすい環境づくりとして無理のない範囲で意識しておきましょう。
誤ったヘアケア・頭皮環境の悪化
洗いすぎや、すすぎ残しによる頭皮トラブルも、髪の状態に影響することがあります。皮脂を落とそうと1日に何度も洗髪すると、かえって頭皮が乾燥して荒れることもあるため、洗いすぎには注意が必要です。
なお、急に円形に毛が抜ける、頭皮に強いかゆみや赤みがあるといった場合は、AGAとは別の原因が隠れていることもあります。AGAらしくない抜け方が気になるときは、自己判断せず一度医療機関で原因を確かめておきましょう。
遺伝による薄毛を防ぐ・進行を止める方法
遺伝による薄毛は「運命」ではなく、環境要因の改善と治療で進行を抑えられます。AGAには厚生労働省が承認した治療薬があり、早く始めるほど効果が期待できます。
今日からできる予防
まず取り組めるのは、第6章で触れた環境要因の見直しです。なかでも禁煙は、薄毛リスクを下げる根拠がある数少ない生活習慣の改善です。あわせて、バランスのよい食事と十分な睡眠で頭皮と髪の土台を整えましょう。
ただし、生活習慣の改善だけでは、遺伝的な素因によるAGAの進行を止めるのは難しいといえます。すでに薄毛が気になり始めている場合は、予防と並行して治療を検討する価値があります。
厚生労働省承認薬による治療
AGAには、有効性と安全性の審査を経て厚生労働省に承認された治療薬があります。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、内服のフィナステリド(先発医薬品:プロペシア)とデュタステリド(先発医薬品:ザガーロ)、外用のミノキシジルが、いずれも最も高い推奨度(行うよう強く勧める)に位置づけられています。
フィナステリドとデュタステリドはDHTの産生を抑え、抜け毛の進行を抑えます。ミノキシジル外用は発毛を促すはたらきがあります。日本人を対象とした臨床試験でも効果が報告されていますが、効果の感じ方には個人差があり、副作用にも注意が必要です。
フィナステリドやデュタステリドは性機能に関する副作用が報告されており、妊娠中・妊娠の可能性のある女性は服用も錠剤に触れることも避けなければなりません。
注意したいのが、ミノキシジルの内服薬(飲むタイプ)です。安全性を裏づけるエビデンスが不足しているとして、ガイドラインでは推奨されていません。AGA治療で承認されているミノキシジルは外用薬です。
海外から輸入された未承認薬は、個人輸入だけでなく、海外製を取り寄せて処方するクリニックを利用する場合にも、品質や安全性が保証されないリスクがあります。AGA治療薬は、厚生労働省が承認した国内正規品を医師の診察のもとで使うことが大切です。
『医薬品副作用被害救済制度』について詳しくは下記サイトをご覧ください。
参考:医薬品副作用被害救済制度 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
早めに相談することがおすすめ
AGA治療は、発症から早く、軽症のうちに始めるほど効果が出やすいとされています。薄毛が気になり始めた段階で相談しておくことが、進行を抑えるうえで有利にはたらきます。
リブラクリニックは、ED・AGAを専門に23年の診療実績を持つ男性専門クリニックです。当院では厚生労働省が承認した国内正規品のみを処方し、診察料は無料です。
費用はお薬代のみで治療を始められ、配送の場合も1万円以上なら送料無料です。薬は必要な分だけ箱単位で処方するため、まとめ買いを前提とせずに続けやすいのも特徴です。
医師・スタッフは全員男性で、スマートフォンひとつで予約から診察まで完結できるため、来院せずに受診することもできます。遺伝的な不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
AGAと遺伝に関するよくある質問
Q. ハゲは何割くらい遺伝で決まる?
双子研究では、AGAのなりやすさの多くが遺伝で説明できるとされ、遺伝率は8割前後と報告されることもあります。ただしこれは集団全体のばらつきに関する数字で、「自分が8割の確率でハゲる」という意味ではありません。発症するかどうかは環境要因にも左右されます。
Q. 親がハゲていなければ自分は大丈夫?
必ずしも大丈夫とは言い切れません。AGAは複数の遺伝子が関わる多因子遺伝のため、両親が薄毛でなくても発症することはあります。母方の家系の体質も影響しうるため、父親だけを見て判断するのは早計です。家族歴はあくまで目安と考えましょう。
Q. 遺伝でハゲやすい体質でも治療で改善できる?
遺伝的な素因があっても、進行を抑えることは可能です。フィナステリド・デュタステリドの内服やミノキシジルの外用は、ガイドラインで最も高い推奨度に位置づけられた承認薬です。早く始めるほど効果が期待できるため、気になった時点での相談をおすすめします。
Q. 遺伝子検査は受けるべき?
遺伝子検査で薄毛のなりやすさをある程度推測することはできますが、結果が将来を確実に予測するわけではありません。検査結果よりも、現在の頭皮や毛髪の状態を踏まえた診察のほうが治療方針には役立ちます。検査を急ぐより、まずは専門の医師に相談するのが現実的です。
まとめ:AGAの遺伝はリスクであって運命ではない
ハゲの多くを占めるAGAは遺伝の影響が大きいものの、受け継ぐのは「ハゲやすい体質」です。遺伝率の高さは集団の話であり、自分が必ず発症する確率ではありません。
喫煙などの環境要因を見直し、フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル外用といった厚生労働省承認薬で進行を抑えることもできます。遺伝は変えられなくても、対策は選べます。
薄毛が気になり始めたら、リブラクリニックへ早めにご相談ください。
当院で取扱の薬品
当院では、国内正規品のプロペシアとフィナステリド錠(プロペシアジェネリック)、ザガーロとデュタステリド錠/カプセル(ザガーロジェネリック)、ミノキシジル配合外用液5%、カルプロニウム塩化物外用液5%を処方しております。処方や服用方法に関して詳しくは下記ページをご覧ください。
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- ザガーロ(デュタステリド)の効果や副作用、服用方法と注意点を解説【医師監修】 – AGA治療のリブラクリニック
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- 【医師監修】カルプロニウム塩化物の処方と服用方法 –AGA治療のリブラクリニック
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