タダラフィルOD錠『トーワ』の添付文書の要点を分かりやすく解説【医師監修】
本記事はED治療の専門医院として23年以上の実績がある、リブラクリニックが制作したものです。
タダラフィルOD錠『トーワ』は、ED(勃起不全)の治療に使われる東和薬品のジェネリック医薬品です。効果を引き出し、体への負担を避けて使うには、飲み合わせ・飲み方・副作用のサインを事前に知っておくことが大切です。
このページは、東和薬品がPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)に公開している添付文書をもとに、タダラフィルの効果から飲み合わせ・副作用までを患者さんの目線で分かりやすくまとめたものです。
本記事では、効果と作用の仕組みから、飲んではいけない人、一緒に飲めない薬、正しい飲み方、受診が必要な副作用のサインまでを順に解説します。
参考:タダラフィルOD錠10mgCI/20mgCI「トーワ」添付文書|PMDA
- 性的な刺激があったときに勃起を助ける薬。ゆっくり効き始め、効果は最大36時間続く
- 硝酸剤(狭心症の薬)やリオシグアトとの併用は禁止。過度な血圧低下の恐れ
- 通常は10mgを性行為の約1時間前に服用し、次の服用まで24時間はあける
この記事の監修者
甲斐沼 明(かいぬま あきら)
前任の日髙士郎先生からの要望を受け、令和7年12月よりリブラクリニック目黒院院長に就任。長年の臨床経験を活かし、ED治療・AGA治療に取り組む。
タダラフィル錠『トーワ』の効果と作用の仕組み
タダラフィルは、性的な刺激があったときに勃起を助けるED治療薬です。
ここでは、どのように効くのか、効果はいつ現れてどのくらい続くのか、臨床試験で示された有効性を、添付文書の「薬効薬理」「薬物動態」「臨床成績」の項をもとに整理します。
血流を促して勃起を助ける仕組み

勃起は、性的な刺激で陰茎の血管が広がり、海綿体(陰茎の中で血液が満たされる組織)に血液が届くことで起こります。タダラフィルは、この血流を保つカギとなるcGMPという物質を分解する酵素の働きを抑えます。
その結果、血管の筋肉がゆるんで血流が促され、勃起を助けます。この仕組みは、添付文書の「薬効薬理(作用機序)」の項に記載されています。
ここで大切なのは、性的な刺激がなければ効果は現れないという点です。タダラフィルは性欲を高める薬ではなく、刺激があったときの体の反応を後押しする薬です。飲んだだけで自然に勃起するわけではありません。
効き始めるタイミングと、効果が続く時間
タダラフィルは、ゆっくり効き始めて長く続きます。血液中の濃度がピークに達するまでの時間は中央値で約3時間、服用後36時間まで効果が続くことが分かっています。いずれも添付文書の「薬物動態」と「重要な基本的注意」の項に基づきます。
効き方はマイルドで、飲んですぐ強く効くタイプではありません。効果を感じにくくても、その日のうちに追加で飲むのは避けてください。飲み方や用量の詳しい考え方は、このあとの「効果を引き出す飲み方」でくわしく解説します。
臨床試験で確かめられた有効性
承認時の臨床試験では、タダラフィルの有効性がプラセボ(有効成分を含まない偽薬)と比べて確かめられています。国内の用量反応試験では、勃起機能を評価するIIEF(国際勃起機能スコア)と、性交の完遂を問うSEPという指標で、プラセボ群を上回る改善が認められました。
| 評価指標(ベースラインからの改善) | プラセボ | 10mg | 20mg |
|---|---|---|---|
| 勃起機能スコア(IIEF・30点満点) | +2.1 | +9.1 | +9.4 |
| 性交を完遂できた割合(SEP・%ポイント) | +12.3 | +47.3 | +50.8 |
数値はベースラインからの改善の平均(最小二乗平均値)で、いずれもプラセボと比べて統計的に有意な改善が認められました(p<0.001、5mgでも有意差あり)。
これらは、添付文書の「臨床成績」の項に国内と外国の試験結果として記載されています。ただし効果の現れ方には個人差があり、体の状態や併用している薬によっても変わります。
タダラフィル錠『トーワ』を使う前に押さえる4つのポイント
タダラフィル錠『トーワ』の使用上の注意は、大きく4点に整理できます。①飲んではいけない人、②一緒に飲めない薬、③飲み方とタイミング、④副作用のサイン、の4つです。
この記事もこの順番で進みます。まずは全体像として、添付文書のどこに何が書かれているかを地図のように押さえておきましょう。かっこ内が、その内容にあたる添付文書の項目名です。
- 飲んではいけない人(禁忌):狭心症の薬などとの併用や、心臓・血管に持病がある場合(添付文書の「警告」「禁忌」)
- 一緒に飲めない・注意する薬:血圧を下げる薬や、薬の効きを強めてしまう薬(添付文書の「相互作用」=併用禁忌・併用注意)
- 飲み方:用量とタイミング、OD錠の飲み方、食事やお酒との関係(添付文書の「用法及び用量」)
- 副作用のサイン:よくある症状と、すぐ受診すべき危険なサイン(添付文書の「副作用」「重要な基本的注意」)
もう一点、誤解を解いておきます。冒頭で触れたとおり、タダラフィルは性欲を高める薬ではありません。性感染症を防ぐ効果もありません。あくまで性的な刺激があったときに勃起を助ける薬です。
飲んではいけない人・注意が必要な人(禁忌)
タダラフィル錠『トーワ』には、命に関わる血圧低下を避けるため、使ってはいけない人(禁忌)が定められています。
これは添付文書の「警告」「禁忌」の項にあたります。次に挙げる条件に当てはまる可能性がある人は、自己判断で服用してはいけません。
硝酸剤・NO供与剤を使っている人は併用禁止
狭心症などで使う血管を広げる薬(硝酸剤・NO供与剤)を使っている人は、タダラフィルを併用できません。具体的にはニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなどが該当します。
これらを一緒に飲むと血圧が下がりすぎる恐れがあり、添付文書も冒頭の「警告」でこの点を強く注意喚起しています。舌下錠や貼り薬、スプレーなど、剤形を問わず併用は避けてください。
リオシグアト(アデムパス)を使っている人も併用禁止
肺高血圧症などの治療に使うリオシグアト(商品名アデムパス)という薬も、タダラフィルとの併用が禁止されています。硝酸剤と並んで、添付文書の「禁忌」および「相互作用(併用禁忌)」の項に挙げられています。
この薬もタダラフィルと同じように血管を広げる方向に働くため、併用すると血圧が下がりすぎるおそれがあります。硝酸剤と同じく、飲み合わせに注意が必要な薬です。
心臓・血管に持病がある人、最近発作があった人
心臓や血管に持病がある場合、性行為そのものが体に負担となるため、状態によっては服用できません。添付文書では、死亡例を含む心筋梗塞などの重い心血管の異常が報告されているとして、この点を強く警告しています。
具体的には、次のような人が禁忌にあたります。
- 不安定狭心症のある人
- コントロールできていない不整脈、低血圧(90/50mmHg未満)、コントロール不良の高血圧(170/100mmHg超)のある人
- 3か月以内に心筋梗塞を起こした人
- 6か月以内に脳梗塞・脳出血を起こした人
心臓や血管の病気で治療中の人は、服用してよいかどうかを事前に確認する必要があります。
重度の肝障害・網膜色素変性症の人
重度の肝障害がある人は、薬が体内にたまりやすくなるため服用できません。また、網膜色素変性症という目の遺伝性の病気がある人も、安全性が確かめられていないことから、添付文書では禁忌とされています。
過去にタダラフィルで発疹などのアレルギー症状が出た人も服用は避けてください。ここまでに挙げた条件に心当たりがある人は、受診時に必ず申告しましょう。
併用禁忌の詳しい一覧については、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:タダラフィル(シアリスジェネリック)の併用禁忌薬、処方禁忌について解説【医師監修】
一緒に飲むときに気をつける薬・食べ物(相互作用)

禁忌ではないものの、一緒に飲むと作用が強く出たり、逆に効果が弱まったりする薬・食べ物があります。
添付文書では「相互作用」の「併用注意」の項にまとめられています。ふだん飲んでいる薬やサプリがある人は、この章を確認しておきましょう。
まず、飲み合わせの全体像を早見表にまとめます。先に挙げた併用禁忌(一緒に飲めない薬)もあわせて示します。
| 分類 | 代表的な薬・食品 | 一緒に飲むと |
|---|---|---|
| 併用禁忌:硝酸剤・NO供与剤 | ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジル 等 | 血圧が下がりすぎる恐れ(併用不可) |
| 併用禁忌:sGC刺激薬 | リオシグアト(アデムパス) | 血圧が下がりすぎる恐れ(併用不可) |
| 併用注意:降圧剤・α遮断薬 | アムロジピン、カンデサルタン、ドキサゾシン 等 | 立ちくらみ・失神を伴う血圧低下 |
| 併用注意:CYP3A4阻害薬 | ケトコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル 等 | 作用・副作用が強く出る |
| 併用注意:CYP3A4誘導薬 | リファンピシン 等 | 効果が弱まる |
| 注意する食品 | グレープフルーツ(ジュース含む) | 作用が強く出る恐れ |
各項目の詳細は、以下で順に解説します。
血圧を下げる薬(α遮断薬・降圧剤)
前立腺肥大や高血圧の治療に使うα遮断薬(ドキサゾシン、テラゾシンなど)や、降圧剤(アムロジピン、エナラプリル、カンデサルタンなど)と併用すると、血圧が下がりやすくなります。
添付文書には、これらとの併用で立ちくらみや失神を伴う血圧低下が起きたという報告があります。心不全の薬であるカルペリチドやベルイシグアトも同様の注意が必要です。血圧の薬を飲んでいる人は、その旨を必ず伝えてください。
薬の効きを強めてしまう薬(CYP3A4阻害薬)
タダラフィルは主に肝臓のCYP3A4という酵素で分解されます。この分解を邪魔する薬(CYP3A4阻害薬)と併用すると、タダラフィルが体内にたまり、効果や副作用が強く出ることがあります。
水虫などに使う抗真菌薬(ケトコナゾール、イトラコナゾール)、抗菌薬のクラリスロマイシン、HIV治療薬のリトナビルなどが該当します。実際、ケトコナゾールと併用した試験では、血中濃度(血液中の薬の濃さ)が大きく上昇しました。
「効かない」と感じても、自己判断で量を増やすのは危険です。こうした薬との兼ね合いもあるため、量の調整は医師が判断します。
グレープフルーツ・市販薬・サプリの注意
グレープフルーツにも、CYP3A4の働きを抑える成分が含まれます。ジュースを含め、タダラフィルの服用前後はグレープフルーツを控えるのが無難です。
市販薬やサプリメントの中にも、飲み合わせに影響するものがあります。自己判断で薬やサプリを足さないようにしてください。なお、結核の薬であるリファンピシンなどは、逆にタダラフィルの効果を弱めることがあります。
効果を引き出す飲み方(用法・用量・タイミング・食事・お酒)
タダラフィルは効果がゆっくり立ち上がり、長く続きます。焦って追加で飲むのは避けてください。体への負担にもつながります。ここでは用量・タイミング・飲み方を整理します。
通常は10mg、性行為の約1時間前に。24時間は間隔をあける

添付文書の「用法及び用量」の項では、通常用量は10mgで、性行為の約1時間前に服用すると定められています。次に飲むまでは、24時間以上の間隔をあける必要があります。
先に述べたとおり、タダラフィルはゆっくり効き始めて長く続きます。すぐに実感がなくても、その場で追加で飲むのは避けてください。効果を焦って重ねると、体への負担が大きくなります。
既存の基本情報や先発品との違い、価格については、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:タダラフィル トーワ(東和薬品)の特徴とは?OD錠の利便性と先発品との違い・処方価格を解説【医師監修】
当院での用量の考え方(10mgと20mg)
添付文書上の通常用量は10mgで、10mgで十分な効果が得られず、副作用に問題がなければ20mgへ増量できます。これが用法・用量の基本です。
そのうえで、リブラクリニックの考え方をお伝えします。タダラフィルは作用時間が長い分マイルドに効くため、当院では十分な効果を期待して20mgを推奨することが多くなっています。その結果として、処方実績の約8割を20mg錠が占めています。
ただし、高齢の人や腎臓・肝臓に持病がある人では10mgが上限になる場合もあります。増量するかどうかは、体の状態を確認したうえで医師が判断します。
OD錠の飲み方(水なし・水あり)と食事・お酒
タダラフィル錠『トーワ』はOD錠(口腔内崩壊錠)です。舌の上にのせて唾液を含ませると崩れるため、水なしでも、水と一緒でも服用できます。服用時はPTPシートから取り出してください。
一方で、寝たままの状態で水なし服用をしてはいけません。誤って気管に入る(誤嚥)恐れがあるためです。この飲み方の注意は、添付文書の「適用上の注意」の項に書かれています。食事の影響は受けにくく、食後・空腹時のどちらでも飲めます。
お酒については注意が必要です。アルコールを多く飲んだ状態では、めまいや立ちくらみ(起立性低血圧)が報告されています。服用時の飲酒は控えめにしましょう。
起こりうる副作用と、受診が必要なサイン
タダラフィルの副作用の多くは、血管が広がることで起こる一過性のものです。ただし、まれに緊急の対応が必要な症状もあります。よくある副作用と、危険なサインを分けて知っておきましょう。
よくある副作用
同添付文書に記載された国内の臨床試験では、257例中70例(27.2%)に副作用が認められました。主な副作用と発現頻度は次のとおりです。
| 主な副作用 | 発現頻度 |
|---|---|
| 頭痛 | 11.3% |
| 潮紅(顔などが赤くなる) | 5.1% |
| ほてり | 3.5% |
| 消化不良(胃もたれなど) | 2.3% |
このほか、鼻づまり、筋肉痛、背部痛などが報告されています。いずれも血管の拡張によるもので、多くは時間とともに落ち着きます。症状が強い、または長く続く場合は服用を中止して相談してください。
すぐ受診すべき危険なサイン
次の症状は、まれではあるものの放置してはいけないサインです。添付文書でも「重大な副作用」や「重要な基本的注意」の項で、中止や受診が必要な症状として挙げられています。当てはまる場合は服用を中止し、早めに受診してください。
- 4時間以上続く勃起・痛みを伴う勃起(持続勃起):放置すると組織が傷つく恐れがあり、直ちに受診が必要です
- 急な視力の低下・喪失:目の血流障害(NAION)の報告があり、服用を中止して眼科を受診してください
- 急な聴力低下・耳鳴り(突発性難聴):同じく中止して受診が必要です
- 発疹・蕁麻疹・顔の腫れなどのアレルギー症状
- 胸の痛みや動悸など、心臓の異常を感じる症状
副作用と注意すべき症状の詳細は、下記の記事でも解説しています。
関連記事:シアリス(タダラフィル)の副作用と注意すべき症状について解説【医師監修】
運転・高所作業の前は服用に注意
添付文書でも、めまいや視覚の異常が現れることがあるとして注意を促しています。そのため、車の運転や高い場所での作業など、危険を伴う作業の前の服用は避けるようにしてください。
とくに初めて服用するときは、自分の体にどう出るかがわかりません。予定のない日に試すなど、体調を確かめられる場面で使い始めるとよいでしょう。
用量や併用薬に不安がある人はリブラクリニックへご相談ください
ここまで見てきたように、タダラフィルの用量や飲み合わせは、一人ひとりの体の状態によって変わります。
とくに高齢の人や、腎臓・肝臓に持病がある人は薬が体内にたまりやすく、用量の調整が必要です。自己判断は避け、医師に相談したうえで使いましょう。
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こうしたリスクを避けるためにも、国内正規品を医師の管理下で使うことが大切です。『医薬品副作用被害救済制度』について詳しくは下記サイトをご覧ください。
参考:医薬品副作用被害救済制度 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
海外製ED治療薬のリスクについては、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:海外製ED治療薬はなぜ避けるべき?個人輸入の危険性や国内正規品との違い、選び方を解説【医師監修】
まとめ:添付文書の注意点を押さえてタダラフィル錠『トーワ』を使う
タダラフィル錠『トーワ』を使うときは、4つのポイントを押さえておきましょう。硝酸剤やリオシグアトなどとの併用禁忌、血圧の薬やCYP3A4阻害薬との飲み合わせ、通常10mgを約1時間前に飲み24時間あける飲み方、副作用のサインです。
4時間以上続く勃起や急な視力・聴力の低下が出たら、すぐに受診してください。用量や併用薬に不安があれば、自己判断せずリブラクリニックにご相談ください。
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