
フィナステリド錠とデュタステリド錠/カプセルの違いとは?
効果、副作用、費用を徹底比較【医師監修】
本記事はAGA治療の専門医院として20年以上の実績がある、リブラクリニックが制作したものです。
男性型脱毛症(AGA)は、多くの男性にとって深刻な悩みであり、脱毛が進行することは自信や生活の質に大きな影響を与える可能性があります。
現在では、AGAの治療法として、フィナステリド錠やデュタステリド錠/カプセルといった内服薬が広く用いられており、その効果が期待されています。
この記事では、代表的なAGA治療薬であるフィナステリド錠とデュタステリド錠/カプセルの違いに焦点を当て、その作用機序、効果、副作用、費用などを詳細に比較、解説します。
AGAに悩む方々がより適切な治療法を選択するためのサポートとなれば幸いです。
この記事の監修者
座右の名は「努力こそ金なり」、趣味は釣り。
効果や副作用などは、原則として先発医薬品と同じ
ジェネリック医薬品である『フィナステリド錠』と『デュタステリド錠/カプセル』ですが、効果や副作用などは先発医薬品である『プロペシア』や『ザガーロ』と同等です。
当院のウェブサイトでは、それぞれの薬剤について詳しく解説するページをご用意していますので、下記記事もご覧ください。
- プロペシアとは? 効果・副作用・費用から注意点まで専門医が徹底解説【医師監修】 – AGA治療のリブラクリニック
- ザガーロ(デュタステリド)の効果や副作用、服用方法と注意点を解説【医師監修】 – AGA治療のリブラクリニック
AGAの原因と『5αリダクターゼ(還元酵素)』について
フィナステリド錠とデュタステリド錠/カプセルの違いを知るうえで、『5αリダクターゼ』について理解をする必要があります。
『5αリダクターゼ』とは男性ホルモンであるテストステロンを、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に変換する役割を担っています。
AGAの主な原因は、このDHTが毛包に作用し、毛周期を短縮させることで、毛髪が細く短くなり、最終的には抜け落ちてしまうことにあります。
『5αリダクターゼ』には『I型』と『II型』があり、存在する身体の部位も異なります。
5αリダクターゼ(還元酵素)I型とは
『5αリダクターゼI型』は毛乳頭細胞や全身の皮脂腺に多く分布しており、頭皮においては側頭部や後頭部に多く存在します。皮脂の分泌量を活性化させるため、ニキビができやすい人が多い傾向もあります。
5αリダクターゼ(還元酵素)II型とは
『5αリダクターゼII型』は特に頭皮の前頭部や頭頂部に多く存在します。男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に変化しやすいため、ヒゲや体毛が濃い人が多い傾向もあります。
作用する部位の違いについて
フィナステリドは主に5αリダクターゼの『II型』を選択的に阻害するのに対し、デュタステリドは『I型』と『II型』の両方を阻害します。
つまり、デュタステリドは、全身の皮脂腺や頭皮に存在する『I型』と、頭皮の毛包に存在する『II型』の両方を阻害するということであり、より広範囲でのDHT産生抑制が期待できます。
この作用部位の違いは、両薬剤の効果や副作用にも影響を与えていると考えられます。
フィナステリド錠とデュタステリド錠/カプセルの主な違い
フィナステリド錠とデュタステリド錠/カプセルは、どちらもAGA治療に用いられる『5αリダクターゼ』阻害薬ですが、その作用機序、効果、半減期、副作用、費用などにはいくつかの重要な違いがあります。
特徴 | フィナステリド | デュタステリド |
---|---|---|
標的とする『5αリダクターゼ』 | 主にII型 | I型およびII型 |
DHT減少効果 | 中程度 | 高い |
相対的な発毛効果 | 基準 | フィナステリドの約1.6倍 |
効果と発毛の可能性
複数の研究や臨床試験の結果から、一般的にデュタステリドの方がフィナステリドよりもAGA治療において高い効果を示す可能性が示唆されています。
ある研究では、デュタステリドはフィナステリドの約1.6倍の発毛効果があると報告されています。これは、デュタステリドが『I型』と『II型』の両方の5αリダクターゼを阻害することで、より多くのDHTを抑制できるためと考えられます。
特に、フィナステリドで十分な効果が得られなかった場合や、より進行した脱毛症状に対して、デュタステリドが有効な選択肢となる可能性があります。
半減期と投与頻度
半減期とは、薬剤の血中濃度が半分になるまでの時間のことを指します。フィナステリドの半減期は約6〜8時間(または情報源によっては3〜4時間)と比較的短いのに対し、デュタステリドの半減期は3〜5週間と非常に長いことが特徴です。
AGA治療においては、どちらの薬剤も通常1日1回投与されますが、デュタステリドの長い半減期は、効果がより持続する可能性がある一方で、副作用が現れた場合に体外に排出されるまでに時間がかかるという側面もあります。
副作用とリスク
フィナステリドとデュタステリドは、どちらも性機能に関連する副作用(性欲減退、勃起不全、射精障害など)が報告されています。デュタステリドはより強力なDHT抑制作用を持つため、一般的にはフィナステリドよりもこれらの副作用のリスクがやや高いと考えられています。
しかし、一部の研究では、そのリスクに大きな差はないとする報告もあります。また、どちらの薬剤でも、まれに乳房の腫れや痛みなどの副作用が起こることがあります。
デュタステリドの半減期が長いため、もし副作用が現れた場合、薬剤の中止後も比較的長く症状が続く可能性があることには注意が必要です。
副作用の比較
副作用 | フィナステリド | デュタステリド |
---|---|---|
性欲減退 | 比較的多い(1〜5%未満) | 比較的多い(1%以上) |
勃起不全 | 少ない(1%未満) | 比較的多い(1%以上) |
射精障害 | 少ない(1%未満) | 比較的多い(1%以上) |
副作用持続期間 | 比較的短い | 比較的長い可能性 |
費用と入手方法
フィナステリド錠とデュタステリド錠/カプセルは、どちらもジェネリック医薬品となります。
一般的に、ジェネリック医薬品は先発医薬品よりも安価に入手可能です。当院で取扱のフィナステリドとデュタステリドのジェネリック医薬品と価格は以下のとおりです。
薬剤名 | 価格 |
---|---|
フィナステリド錠1mg「トーワ」(東和薬品株式会社) | 1ボトル(30錠入):4,300円 5ボトル(150錠入):20,000円※1ボトルあたり4,000円 |
フィナステリド錠1mg「FCI」(富士化学工業株式会社) | 1箱(28錠入):4,300円 5箱(140錠入):20,000円※1箱あたり4,000円 |
フィナステリド錠1mg「VTRS」(ヴィアトリス製薬株式会社) | 1箱(28錠入)4,900円 5箱(140錠入)23,500円※1箱あたり4,700円 |
デュタステリド錠0.5mgZA「トーワ」(東和薬品株式会社) | 1箱(30錠入):5,500円 5箱(150錠入):25,000円※1箱あたり5,000円 |
デュタステリド錠0.5mgZA「明治」(Meiji Seikaファルマ株式会社) | 1箱(30錠入):6,000円 5箱(150錠入):27,500円※1箱あたり5,500円 |
デュタステリドカプセル0.5mgZA「トーワ」(東和薬品株式会社) | 1箱(30カプセル入)7,000円 5箱(150カプセル入)32,500円※1箱あたり6,500円 |
一方、デュタステリドのジェネリック医薬品はフィナステリドのジェネリック医薬品と比較すると、やや高額になります。
費用の比較(1ヶ月あたりの目安)
有効成分 | 先発医薬品 | ジェネリック医薬品 |
---|---|---|
フィナステリド | 7,700円〜8,200円 | 4,000円〜4,900円 |
デュタステリド | 10,000円〜10,500円 | 5,000円〜7,000円 |
※1ヵ月に1ボトル(1箱)の服用を想定。
※上記はリブラクリニックの料金です。最安価格はまとめ買いによる価格を掲載しています。
入手にはどちらも医師による処方箋が必要
フィナステリド錠もデュタステリド錠/カプセルも日本では医療用医薬品に分類されており、処方箋がなければ入手できません。これらの薬は一般の薬局やドラッグストアでは販売されておらず、必ず医師の診察と処方が必要となります。
最近ではオンライン診療の普及により、ご自宅から医師の診察を受け、処方箋を取得して郵送で薬を受け取るサービスも利用可能になりました。
個人輸入による医薬品の購入は品質や安全性が保証されないため、厚生労働省も注意を促しています。健康を守るためにも、正規の医療機関やオンライン診療を通じた入手をお勧めします。
お悩みやご質問がございましたら、当院へお気軽にご相談ください。
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フィナステリド錠とデュタステリド錠/カプセルはどちらを選ぶべき?
フィナステリド錠とデュタステリド錠/カプセルのどちらが適しているかは、個人の脱毛の進行度合い、期待する効果、副作用のリスク許容度、費用などを総合的に考慮して判断する必要があります。
脱毛の進行度合いと期待する効果
より高い効果を期待する方や、フィナステリドで十分な効果が得られなかった方には、デュタステリドが選択肢の一つとなる可能性があります。
副作用のリスク
副作用のリスクを懸念する方は、まずはフィナステリドから試してみるという選択肢もありますが、実際のリスクには個人差があるため、医師との相談が重要です。
治療を継続する費用
長期的な治療となることが多いため、費用も重要な考慮事項です。ジェネリック医薬品の利用も含めて、医師と相談しながら経済的な負担を軽減する方法を検討することも可能です。
既往歴や併用薬
既存の疾患や服用中の薬によっては、どちらかの薬剤が適さない場合があります。必ず医師に自身の健康状態を正確に伝え、適切なアドバイスを受けるようにしてください。
最終的には、専門医である皮膚科医やAGA専門医と十分に相談し、自身の状態や希望に合った治療法を選択することが最も重要です。
服用の注意点
フィナステリド錠とデュタステリド錠/カプセルは、どちらも医師の処方が必要な医療用医薬品です。自己判断での使用は避け、必ず医師の指示に従って服用してください。
また、女性や小児はこれらの薬剤を服用することはできません。特に女性が誤って服用したり、触れたりすると、胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
献血に関しても、フィナステリド服用中は1ヶ月間、デュタステリド服用中は6ヶ月間は避ける必要があります。
さらに、これらの薬剤は前立腺特異抗原(PSA)の値を低下させる可能性があるため、前立腺がんの検査を受ける際には、医師に服用していることを必ず伝えるようにしてください。
まとめ
フィナステリド錠とデュタステリド錠/カプセルは、どちらもAGA治療において有効な選択肢となり得ますが、その作用機序、効果、副作用、費用には明確な違いが存在します。
一般的に、デュタステリドはより高い効果が期待できる一方で、副作用のリスクや持続期間についても考慮が必要です。
最終的にどちらの薬剤を選択するかは、患者さんご自身の状況や医師との十分な相談したうえで決定してください。
AGA治療は長期にわたる場合が多いため、それぞれの薬剤の特徴を理解し、自身のライフスタイルや希望に合った治療法を見つけることが、治療の継続と成功への鍵となります。
当院では、国内正規品のプロペシアとプロペシアジェネリック(フィナステリド錠)、ザガーロとザガーロジェネリック(デュタステリド錠/カプセル)を処方しております。処方や服用方法に関して詳しくは下記ページをご覧ください。
- プロペシア(フィナステリド)とは?効果・副作用・費用から注意点まで専門医が徹底解説【医師監修】 – AGA治療のリブラクリニック
- 当院で取扱のプロペシアジェネリック(フィナステリド錠)(東和薬品株式会社/富士化学工業株式会社/ヴィアトリス製薬株式会社) – AGA治療のリブラクリニック
- ザガーロ(デュタステリド)の効果や副作用、服用方法と注意点を解説【医師監修】 – AGA治療のリブラクリニック
- 当院で取扱のザガーロジェネリック(デュタステリド錠/カプセル)(東和薬品株式会社/Meiji Seikaファルマ株式会社) – AGA治療のリブラクリニック
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